暗号資産(仮想通貨)のレンディングプラットフォームであるセルシウス(Celsius)の破産管財人が、約25万1000人の債権者に対して、25億3000万ドル(約3668億円、1ドル=145円換算)以上を弁済済みであることを、破産処理に関する初の状況報告書で明らかにした。
この支払いは、流動性のある仮想通貨(1月16日の価格)と現金で行われました。管財人は8月26日の裁判所への提出書類の中で、これらの支払いがセルシウスの全ての債権者のおよそ3分の2を補填し、適格な債権価値の約93%を補償すると述べています。さらに、12万1000人の適格な債権者(平均分配額は約1500ドル、約21万7500円)は、まだ受け取れていない弁済金があります。
提出書類には、「残りの債権者には、約6万4000人が100ドル未満で弁済しており、さらに約4万1000人が100ドルから1000ドルの間で弁済している」と記載されています。「これらの多くの債権者は、金額が少ないため、分配金を請求するための手続きを講じる気がない可能性がある」とも述べられています。
2023年11月、ニューヨーク州南部地区破産裁判所が再建計画を承認し、破産手続きが終了しました。セルシウス社の債権者に30億ドル以上(約4350億円)を分配する計画は2024年1月末に決定されました。提出書類によると、この分配プロセスは過去に試みられた中で最も複雑かつ野心的なものであり、過去7カ月間に実施された「計画で企図された分配プロセスは、チャプター11のケースでこれまでに試みられた中で最も複雑かつ野心的なものである可能性が高い」との記述があります。
このプランでは、流動性のある暗号資産、現金、そして新しく設立された企業から発行された株式が、165カ国以上のおよそ37万5000人の債権者に分配される予定です。提出書類によると、「セルシウスは完全に規制を遵守しており、多くの規制当局が債務者に対する強制執行を進めている」ため、分配プロセスの複雑さが増していると述べられています。
この月の初め、セルシウスは破産裁判所に、テザーが「ゆすり」訴訟として主張している申し立てに基づいて、テザーにおよそ33億ドル(約4785億円相当)分のビットコインを放棄するよう求めました。
「|翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:Shutterstock|原文:Celsiusの破産管財人、25億ドル以上を支払い済み」