シンガポールを拠点とするWeb3企業Digital Entertainment Asset(DEA)は、東京電力パワーグリッドおよびGreenway Grid Globalと共同で、電力インフラの保守点検を支援する参加型アプリ「ピクトレ(PicTrée)」の実証実験第3弾を、2025年2月から静岡県沼津市で実施する計画を発表しました。
この試験では、沼津市を舞台とするアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」とのコラボレーションを実現するために、バンダイナムコフィルムワークスとの特別協力が行われます。
「アプリの利用者は、沼津市内にある電柱やマンホールなどの施設の写真を撮影し、それをアプリ内で投稿します。撮影した施設同士の距離を競うことができます。参加者には、報酬としてギフト券や同社が発行する暗号通貨DEPコインが提供されます。」
過去に行われた2回の実証実験で、群馬県前橋市と東京都心3区で実施されました。この実験により、電柱に樹木が近づいたりカラスが営巣するなど、設備の問題を早期発見することに貢献していると報告されています。
このような取り組みは、「DePIN(Decentralized Physical Infrastructure Network:分散型物理インフラネットワーク)」に該当します。DePINは、Web3の新たなアプローチであり、トークンを使った報酬システムを活用して、物理的なインフラの構築や維持管理を行う取り組みです。
世界中では、専用のドライブレコーダーを使って走行データを収集し、それを地図アプリに反映するサービスなど、さまざまなプロジェクトが展開されています。国内でも、電柱管理アプリを用いたDEAの実証実験や実用化が進んでおり、これからはインフラ管理における新たな選択肢として注目されています。
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|文:栃山直樹
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