- 暗号資産取引所Bullishは、IPOで調達した11.5億ドルをすべてステーブルコインで受け取ったと述べた。米公開市場で初の事例だ。
- 使用されたのは、サークル、パクソス、ペイパル、リップル、ソシエテ・ジェネラルなどが発行する米ドル建て、ユーロ建てのステーブルコイン。
- 規制整備が進むなか、グローバル決済におけるステーブルコインの役割が拡大していることを示した。
米CoinDeskの親会社である暗号資産(仮想通貨)取引所Bullishは、IPO(新規株式公開)で調達した11.5億ドル(約1700億円、1ドル148円換算)をステーブルコインで受け取ったと述べた。米公開市場で初の事例だ。
同社が19日に発表したリリースによると、使用されたステーブルコインの大部分はソラナ(Solana)上で発行され、主にサークル(Circle)が発行する米ドル建てステーブルコイン「USDC」だったという。
それ以外には、ドル建て、およびユーロ建てのさまざまなステーブルコインが使われた。例えば、サークルのEURC、ペイパル(PayPal)のPYUSD、リップル(Ripple)のRLUSD、パクソス(Paxos)のUSDG、ソシエテ・ジェネラルのUSDCV、EURCV、ワールド・リバティ・フィナンシャル(World Liberty Financial)のUSD1、AgoraのAUSD、AllUnityのEURAU。これらのステーブルコインの発行、転換、受け渡しはジェフリーズ(Jefferies)が行った。
Bullishは先週、ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場した。
今回の事例は、グローバル決済におけるブロックチェーンの普及が進むなか、ステーブルコインがその役割を拡大させていることを示している。規制の整備も進んでおり、米国では先月、「ジーニアス法(GENIUS法)」が成立した。今年初めには、暗号資産取引所バイナンス(Binance)がアブダビのファンドMGXから20億ドルの投資を受ける際、ワールド・リバティのUSD1で受け取った事例もあった。
BullishのCFO(最高財務責任者)デビッド・ボナンノ(David Bonanno)氏は「我々はステーブルコインをデジタル資産における最も変革的、かつ広く普及するユースケースの一つと捉えている。社内では、特にソラナネットワーク上で、迅速、かつ安全な国際送金に活用している」と声明で述べた。
|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:Ryan Quintal/Unsplash, Modified by CoinDesk
|原文:Bullish’s $1.15B in IPO Proceeds Was Entirely in Stablecoins—A First for Public Market