暗号資産取引所であるKrakenが、独自のイーサリアム・レイヤー2ネットワークを立ち上げると発表しました。この開発には、競合の取引所Coinbaseが使用しているレイヤー2「Base」と同じく、Optimismが提供する開発キット「OP Stack」を採用する予定です。
昨年11月、CoinDeskによると、クラーケンはレイヤー2ネットワークの開発を検討していると報じられました。そして、同年8月にはCoinbaseが人気を博していたレイヤー2「Base」を立ち上げました。クラーケンの新しいレイヤー2である「Ink」は、2025年初頭に稼働予定です。
最近、オプティミズム技術は、大手の暗号資産関連企業だけでなく、暗号資産関連でない企業にも採用され、大きな成功を収めています。たとえば、コインベースの「Base」とソニーグループの「Soneium(ソニューム)」がOP Stackを導入しています。更に最近、DEX(分散型取引所)のUniswapも、OP Stackを使用してレイヤー2の「ユニチェーン(Unichain)」の開発を発表しています。
「独自のLayer 2を立ち上げることは、珍しいことではなくなってきています。ポリゴン(Polygon)、zkSync、Starknet、Arbitrumなどの主要なLayer 2プロトコルも、それぞれ開発キットを提供しており、自社のテクノロジーを普及させることを目指しています。」
しかし、クラーケンがOp Stackを取り入れたことは、イーサリアム・レイヤー2の開発において技術プロバイダーの先駆者となり、楽観主義を高める可能性があるかもしれない。
ライバル企業であるアービトラムは、レイヤー2のデータサイトL2Beatによると、預かり資産の総額が約136億ドル(約2兆円)に達し、最も大規模なレイヤー2プロトコルとして注目されています。対照的に、オプティミズムは預かり資産が約61億ドルであると報じられています。
ただ、Op Stackを使用しているレイヤー2のプロジェクトである「スーパーチェーン(Superchain)」には、43のチェーンが存在し、総TVLは181億ドルです。一方、Arbitrumの技術を用いているレイヤー2のプロジェクトは29あり、総TVLは140億ドルです。
暗号の世界では、クラーケンのレイヤー2プロトコルである「Ink」のリーダーであるアンドリュー・コラー氏は、「レイヤー2の価値は、ユーザーへ提供されるものに依存する。そしてその価値は、活気あふれるエコシステムによって開発される」と述べました。
“Inkは、スーパーチェーンの一部として開発者を惹きつけるために相互運用可能で多様なオンチェーン・エコシステムを構築し、次世代のDeFiアプリケーションとプロトコルに最適なプラットフォームを目指しています。”
「CoinDesk JAPAN編集部による翻訳および編集|画像提供:クラーケンの創業者ジェシー・パウエル氏(CoinDesk)|オリジナル記事:Kraken、Coinbaseの『スーパーチェーン』に参加し、新しいLayer-2ネットワークに楽観的」