- ワイオミング州は、米国で公共機関が発行する初の完全準備型ステーブルコイン「フロンティア・ステーブル・トークン」をローンチ。
- このトークンは近日中に、クラーケンを通じてソラナネットワーク上で、またアバランチ上の暗号資産カードプラットフォーム「レイン」で一般公開される予定。
- 今回のデビューは、米国がジーニアス法に基づきステーブルコイン発行に関する連邦ガイドラインを制定したことに続くものだ。
ワイオミング州は19日、米ドル建てステーブルコイン「フロンティア・ステーブル・トークン(FRNT)」のメインネットローンチを発表し、米国で公共機関が発行する初の完全準備型ステーブルコインだと主張した。
「フロンティア・ステーブル・トークンのメインネットローンチにより、市民と企業はデジタル時代において現代的で効率的かつ安全な取引手段を手に入れられるようになる」とワイオミング州知事で、ワイオミング・ステーブルトークン委員会(Wyoming Stable Token Commission)の委員長であるマーク・ゴードン(Mark Gordon)氏は声明で述べた。
プロジェクトのWebサイトに掲載されているブロックチェーンデータによると、このトークンはすでにアービトラム(Arbitrum)、アバランチ(Avalanche)、ベース(Base)、イーサリアム(Ethereum)、オプティミズム(Optimism)、ポリゴン(Polygon)、ソラナ(Solana)の各ネットワークに展開されている。このトークンは2%の超過担保となるよう設計されており、米ドルと信託保有の短期米国債によって裏付けられている。
プレスリリースによると、このトークンは近日中に、ワイオミング州に拠点を置く取引所クラーケン(Kraken)を通じてソラナ上で、またアバランチブロックチェーン上の「レイン(Rain)」のビザ(Visa)統合カードプラットフォームで一般公開される予定だ。
この発表は、ワイオミング州ジャクソンホールで開催されたワイオミング・ブロックチェーン・シンポジウムと同時期に行われ、急成長するステーブルコインセクターと発行者を規制するために米国がジーニアス(GENIUS)法という連邦法を制定したことに続くものだ。
ステーブルコインは、価格が米ドルなどの外部資産に連動する2600億ドル(約38兆4800億円、1ドル148円換算)規模の暗号資産(仮想通貨)。暗号資産取引企業キーロック(Keyrock)は最近のレポートで、ステーブルコインは今後数年間で1兆ドル(約148兆円)規模の市場に成長し、実体経済での採用が拡大するにつれて決済フローに革新をもたらす可能性があると予測している。
ステーブルコインへの積極的な取り組み
ブロックチェーン関連法整備への積極的な姿勢で知られるワイオミング州は2023年、ワイオミング・ステーブルトークン委員会を設立し、米ドルに裏付けられたトークンの開発と発行、および公的財政への統合の監督を行っている。同州は先月、アバランチベースのハッシュファイア(Hashfire)上で、政府請負業者へのリアルタイム決済の試験取引を実施した。
同委員会は、トークン発行についてはレイヤーゼロ(LayerZero)、ブロックチェーンインフラについてはファイアブロックス(Fireblocks)、準備金管理については フランクリン・アドバイザーズ(Franklin Advisers)、オープンソースインテリジェンスについてはインカ・デジタル(Inca Digital)、監査および月次証明についてはネットワーク・ファーム(The Network Firm)と提携しており、これらは全て調達プロセスを通じて選定されたとプレスリリースで述べた。
|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:Pascal Bernardon/Unsplash
|原文:Wyoming State Debuts U.S. Dollar Stablecoin on Seven Blockchains