- 市場の幅(Market Breadth)は、長期的な上昇トレンドにもかかわらず、暗号資産市場とナスダックの両方で短期的な弱さが見られることを示している。
- 主要な暗号資産およびナスダック銘柄の大半は、200日単純移動平均線(SMA)を上回って取引されており、長期的には強気トレンドを示している。
- 一方で、両市場とも資産の50%が50日SMAを下回っており、短期的な下落トレンドの可能性を示唆している。
市場の幅(Market Breadth)は、市場や指数の全体的な健全性を把握するための重要な指標であり、暗号資産(仮想通貨)市場とウォール街のテクノロジー関連銘柄が中心のナスダック指数が、長期的な上昇トレンドの中、短期的な弱さを見せていることを示唆している。
市場の幅は通常、上昇している株式や暗号資産の数を下落している数と比較して測定される。トレーダーはまた、50日単純移動平均線(SMA)や200日SMAなどの主要な移動平均を上回っている資産の数と下回っている数を分析し、短期および長期の市場トレンドを評価する。本記事では、これらの移動平均線に基づく幅の指標に焦点を当てている。
記事執筆時点では、時価総額上位100の暗号資産のうち、ビットコイン(BTC)を含む63銘柄が、それぞれ200日SMAを上回って取引されていると、TradingViewのデータが示している。
時価総額が10億ドル(約145億円、1ドル=145円換算)を超える上位100の暗号資産は、規模の小さいコインと比べて価格操作の影響を受けにくい。
一方で、50のコインは50日SMAを下回って取引されている。
興味深いことに、100銘柄の株式で構成されるナスダックも18日に同様の傾向を示し、61の銘柄が200日SMAを上回り、49の銘柄が50日SMAを下回って取引された。
その意味とは?
データは、両市場の資産の大部分が200日SMAを上回って取引されており、長期的なトレンドが依然として強気であることを示している。200日SMAは、個人投資家と機関投資家の両方が長期トレンドの指標として広く採用している。
ただし、両市場の資産の約50%が50日SMAを下回っているため、短期的な見通しは徐々に悪化している。この平均線を下回る価格は、最近のモメンタムの低下と短期的な下落トレンドの可能性を示唆している。
2つの市場の市場の幅がまったく同じであることは、短期的な弱さは孤立した現象ではなく、暗号資産市場と伝統的な株式市場の両方に影響を及ぼしている広範な現象であることを示唆している。おそらく、ジャクソンホールで開催されるシンポジウムでアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル(Jerome Powell)議長が講演を行うことを受け、両市場のトレーダーはポートフォリオのリスクを軽減しているのではないだろうか。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Is Bitcoin’s Bull Run Losing Steam? Here’s What Crypto and Nasdaq Market Breadth Indicates
- 市場の幅(Market Breadth)は、長期的な上昇トレンドにもかかわらず、暗号資産市場とナスダックの両方で短期的な弱さが見られることを示している。
- 主要な暗号資産およびナスダック銘柄の大半は、200日単純移動平均線(SMA)を上回って取引されており、長期的には強気トレンドを示している。
- 一方で、両市場とも資産の50%が50日SMAを下回っており、短期的な下落トレンドの可能性を示唆している。
市場の幅(Market Breadth)は、市場や指数の全体的な健全性を把握するための重要な指標であり、暗号資産(仮想通貨)市場とウォール街のテクノロジー関連銘柄が中心のナスダック指数が、長期的な上昇トレンドの中、短期的な弱さを見せていることを示唆している。
市場の幅は通常、上昇している株式や暗号資産の数を下落している数と比較して測定される。トレーダーはまた、50日単純移動平均線(SMA)や200日SMAなどの主要な移動平均を上回っている資産の数と下回っている数を分析し、短期および長期の市場トレンドを評価する。本記事では、これらの移動平均線に基づく幅の指標に焦点を当てている。
記事執筆時点では、時価総額上位100の暗号資産のうち、ビットコイン(BTC)を含む63銘柄が、それぞれ200日SMAを上回って取引されていると、TradingViewのデータが示している。
時価総額が10億ドル(約145億円、1ドル=145円換算)を超える上位100の暗号資産は、規模の小さいコインと比べて価格操作の影響を受けにくい。
一方で、50のコインは50日SMAを下回って取引されている。
興味深いことに、100銘柄の株式で構成されるナスダックも18日に同様の傾向を示し、61の銘柄が200日SMAを上回り、49の銘柄が50日SMAを下回って取引された。
その意味とは?
データは、両市場の資産の大部分が200日SMAを上回って取引されており、長期的なトレンドが依然として強気であることを示している。200日SMAは、個人投資家と機関投資家の両方が長期トレンドの指標として広く採用している。
ただし、両市場の資産の約50%が50日SMAを下回っているため、短期的な見通しは徐々に悪化している。この平均線を下回る価格は、最近のモメンタムの低下と短期的な下落トレンドの可能性を示唆している。
2つの市場の市場の幅がまったく同じであることは、短期的な弱さは孤立した現象ではなく、暗号資産市場と伝統的な株式市場の両方に影響を及ぼしている広範な現象であることを示唆している。おそらく、ジャクソンホールで開催されるシンポジウムでアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル(Jerome Powell)議長が講演を行うことを受け、両市場のトレーダーはポートフォリオのリスクを軽減しているのではないだろうか。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Is Bitcoin’s Bull Run Losing Steam? Here’s What Crypto and Nasdaq Market Breadth Indicates