- 米財務省は、暗号資産における違法行為の検出と防止に関するアイデアを共有したい人を対象に、公式にコメント期間を開始。
- 財務省のこの取り組みは、最近可決されたステーブルコイン法「ジーニアス法」の指示に基づくものだ。
米財務省は、新たなステーブルコイン法の施行を開始するにあたり、暗号資産(仮想通貨)の違法行為を検知・阻止するための新たなアイデアを求めている。
暗号資産分野の規制制度を米国で初めて制定した主要法である「Guiding and Establishing National Innovation for U.S. Stablecoins(GENIUS)Act(ジーニアス法)」は、デジタル資産における悪質な行為者による危険を制限するための政府の措置を求めており、財務省は「規制対象の金融機関がマネーロンダリングなどデジタル資産に関わる違法行為を検出するために使用している、または使用する可能性のある革新的または斬新な方法、技術、または戦略を特定するため」にパブリックコメントを募集している。
同省の18日の要請によると、暗号資産業界は60日間のコメント期間を通じて、暗号資産の不正利用の取り締まりに関する業界の見解を共有することになる。
ジーニアス法は現在、新たな金融規制法が施行を担う連邦政府機関の管轄下に入る際に典型的に見られる、長期にわたる実施期間に突入している。通貨監督庁(OCC)や連邦預金保険公社(FDIC)といった米国の銀行規制当局も、ステーブルコイン発行者の将来的な監督に関する方針を策定する必要がある。
だが、ジーニアス法は、暗号資産業界にとっての2部構成の立法優先事項のうち、最初の、かつ比較的重要度の低い部分に過ぎなかった。業界は、より広範なデジタル資産市場のためのガードレールを設置する法案について、議会のさらなる措置を依然として待っている。下院は最近、超党派の幅広い支持を得て「Digital Asset Market Clarity Act(デジタル資産市場明確化法案)」可決し、主導権を握ったが、上院が夏季休暇から戻ると、下院とは少し異なるアプローチで法案の策定を主導することになる。
ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は、長年にわたる米国政府からの抵抗と法的な異議申し立てを経て、連邦規制当局に基準の設定を促す複数の大統領令や声明を発表し、暗号資産に友好的な政策を迅速に策定するよう政権に働きかけている。米証券取引委員会(SEC)のポール・アトキンス(Paul Atkins)委員長などの政府機関の長らは、議会が暗号資産関連の立法課題を終える前に、一部の作業を完了させることもできると示唆している。
|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:Jesse Hamilton/CoinDesk
|原文:U.S. Treasury Department Starts Work on GENIUS, Gathering Views on Illicit Activity