- イーサリアム(ETH)とは?基本情報と仕組み
- 分散型アプリケーション(DApps)のネイティブ通貨としての側面
- スマートコントラクトによる、取引の高い透明性の確保
- イーサ(ETH)とは?
- イーサリアム(ETH)とビットコイン(BTC)など他の暗号資産(仮想通貨)の違い
- イーサリアム(ETH)の特徴①:分散型プラットフォームの導入
- イーサリアム(ETH)の特徴②:通貨発行上限の撤廃
- イーサリアム(ETH)の特徴③:ブロックチェーン導入による高いセキュリティ
- ブロックチェーンによる高い改ざん体制
- PoSへの移行
- イーサリアム(ETH)の歴史とこれまでの価格推移
- 2016年:The DAO事件とイーサリアムの分裂
- 2017年〜2018年:ICOブームと「暗号資産の冬」
- 2020年〜2022年:DeFiの成長と「The Merge」
- 2023年:上海アップデート
- 2024年:現物ETFの承認
- 最新のイーサリアム(ETH)ニュースと価格への影響
- Pectraの実装に関するニュース
- 現物取引開始に対するニュース
- ビットコイン(BTC)価格の急騰
- ビットコイン・ドミナンスへの着目
- イーサリアム(ETH)の将来性と今後の課題
- 将来性:国際送金インフラとしての可能性
- 今後の課題点とその対策
- イーサリアム(ETH)の今後の価格予想(短期・長期・AI予測)
- 短期的な価格予想(今後1〜2年)
- 中長期的な価格予想(5年〜10年先)
- AIによる価格予測シミュレーション
- 価格予想の総括
- イーサリアム(ETH)の買い方:国内外の取引所はどう選ぶ?
- Coincheck(コインチェック)
- bitFlyer(ビットフライヤー)
- bitFlyer(ビットフライヤー)のメリット
- bitFlyer(ビットフライヤー)のデメリット
- bitFlyer(ビットフライヤー)の評判・口コミ
- GMOコイン
- イーサリアム購入時の注意点とリスク
- イーサリアム(ETH)の今後や価格予想・見通しのまとめ
イーサリアム(ETH)は、暗号資産(仮想通貨)市場においてビットコイン(BTC)に次ぐ注目度と時価総額を誇る主要な銘柄である。その将来性については、投資家や開発者、さらには一般ユーザーの間でも大きな関心が寄せられている。
「イーサリアム 今後」というキーワードで検索する層は、イーサリアム(ETH)の購入を検討している新規参入者から、既に保有し投資戦略を練る既存ホルダー、そして「イーサリアムはやばい」といった根拠不明の言説の真偽を確かめたいと考える人々まで多岐にわたる。
本記事では、これらのニーズに応えるべく、イーサリアムの基本情報から最新ニュース、将来性、価格予想、購入方法に至るまで、客観的かつ網羅的に解説する。
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イーサリアム(ETH)とは?基本情報と仕組み
分散型アプリケーション(DApps)のネイティブ通貨としての側面
イーサリアム(ETH)は、単なる暗号資産(仮想通貨)としてだけでなく、分散型アプリケーション(DApps)を構築し実行するためのグローバルなプラットフォームとして機能する点が最大の特徴である。このプラットフォームのネイティブ通貨がイーサ(ETH)であり、暗号資産市場においてビットコイン(BTC)に次ぐ確固たる地位を築いている。
イーサリアム(ETH)の構想は、2013年にプログラマーのヴィタリック・ブテリン氏によって発表され、プロジェクトは2015年に正式に始動した。
その根本的な目的は、「分散型アプリケーションのためのプラットフォーム」を提供することにあり、これは特定の企業や組織による中央集権的な管理を必要としないプログラム実行環境を意味する。
この点で、Google Play StoreやApple App Storeのようなアプリケーション基盤に例えられることもあるが、イーサリアムは非中央集権的であるという点で本質的に異なる。
スマートコントラクトによる、取引の高い透明性の確保
イーサリアムの核心を成す技術が「スマートコントラクト」である。
スマートコントラクトとは、ブロックチェーン上で事前に定義された契約条件が満たされた際に、プログラムが自動的に実行される仕組みを指す。
これにより、契約の履行を自動化し、取引の透明性を高め、仲介者にかかるコストを削減することが可能となる。例えば、「商品が正しく送付されたことがBさんによって確認された場合、Aさんに商品代金が自動的に送金される」といった契約ロジックをプログラムとして実装できるのである 。
イーサ(ETH)とは?
イーサリアムプラットフォーム内で利用されるネイティブ通貨がイーサ(ETH)である。
ETHは、プラットフォーム上での取引手数料(ガス代と呼ばれる)の支払いや、ネットワークのセキュリティを維持し取引を検証するバリデーターへの報酬として機能する 。2025年6月時点で、ETHは暗号資産の時価総額ランキングにおいてビットコインに次ぐ第2位を維持しており、その市場における重要性を示している。
さらに、イーサリアムは次世代のインターネットとも称される「Web3」の基盤技術として、極めて重要な役割を担うと期待されている。
近年、暗号資産業界で注目を集めたDeFi(分散型金融)、NFT(非代替性トークン)、IEO(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)といった技術革新の多くは、イーサリアムのエコシステム内で誕生し、発展してきた経緯がある。これは、イーサリアムが単なる暗号資産に留まらず、広範なイノベーションを生み出す土壌であることを物語っている。
表1: イーサリアム(ETH)基本情報
項目 | 内容 |
名称 | イーサリアム (Ethereum) |
ティッカーシンボル | ETH |
考案者 | ヴィタリック・ブテリン (Vitalik Buterin) |
発行開始日 | 2015年7月 |
時価総額(2025年6月時点) | 約42.6兆円(市場2位) |
コンセンサスアルゴリズム | Proof of Stake (PoS) |
主な特徴 | スマートコントラクト、分散型アプリケーション(DApps)プラットフォーム、NFT発行基盤 |
イーサリアム(ETH)とビットコイン(BTC)など他の暗号資産(仮想通貨)の違い
イーサリアム(ETH)とビットコイン(BTC)は、暗号資産市場における二大巨頭であるが、その設計思想、目的、機能、技術的特性において明確な違いが存在する。
これらの違いを理解することは、それぞれの暗号資産の市場での役割や投資対象としての性格を把握する上で不可欠である。
ビットコインが主に「価値の保存」や「決済手段」としての機能に特化しているのに対し、イーサリアムはスマートコントラクトを通じて多種多様なアプリケーションを開発・実行できる「ワールドコンピュータ」としての側面を持つ点が重要である 。
イーサリアム(ETH)の特徴①:分散型プラットフォームの導入
イーサリアムの最も際立った特徴の一つは、中央集権的な管理主体を必要としない分散型プラットフォームであるという点である。この分散化という特性が、従来のインターネットサービスや金融システムとは一線を画す、透明性、耐検閲性、そしてユーザー主権といった新たな価値を提供している。
この分散型プラットフォームの上で、イーサリアムは分散型アプリケーション(DApps)の開発と実行を可能にする。DAppsはスマートコントラクトを利用して構築され、その動作ロジックはブロックチェーン上に記録されるため、透明性が高く、誰でも検証可能である。
これらのDAppsは、金融(DeFi)、ゲーム、アート(NFT)、ソーシャルメディア、ID管理など、極めて多岐にわたる分野でイノベーションを促進している。
特にDeFi(分散型金融)の領域において、イーサリアムは中心的な役割を果たしている 。DeFiは、従来の銀行や証券会社といった金融仲介機関を介さずに、貸付、借入、取引といった金融サービスをP2P(ピアツーピア)で提供することを目指すムーブメントである。
また、NFT(非代替性トークン)の発行と取引においても、イーサリアムは主要なプラットフォームとしての地位を確立している 。NFTは、デジタルアートなどの所有権をブロックチェーン上に唯一無二のトークンとして記録する技術である。
イーサリアム(ETH)の特徴②:通貨発行上限の撤廃
イーサリアム(ETH)の経済モデルにおける顕著な特徴の一つは、ビットコイン(BTC)とは異なり、通貨(ETH)の総発行量に明確な上限が設けられていない点である 。しかし、これは無制限にETHが供給されインフレが野放しになることを意味するわけではない。
この発行上限のない設計に対するインフレ懸念に応える形で導入されたのが、大型アップデート「ロンドン」に含まれるEIP-1559である。
この改善提案は、ユーザーが支払う取引手数料の一部(基本手数料)を焼却(バーン)する仕組みを導入した。つまり、使われたETHの一部が永久に供給から取り除かれるのである。
このバーンメカニズムは、ネットワークの取引が活発になればなるほど、より多くのETHがバーンされることを意味する。その結果、新規に発行されるETHの量をバーンされるETHの量が上回る状況が発生すれば、ETHの総供給量は実質的に減少し、デフレ的な効果をもたらす可能性がある。
イーサリアムの運営サイドは、このバーンを通じて供給量を制限することで、通貨の希少性と価格の安定を担保することを目指している 。
イーサリアム(ETH)の特徴③:ブロックチェーン導入による高いセキュリティ
ブロックチェーンによる高い改ざん体制
イーサリアムの信頼性と実用性を支える根幹には、その基盤技術であるブロックチェーンと、コンセンサスアルゴリズムとして採用されているProof of Stake (PoS)による高いセキュリティがある。
これにより、データの改ざん耐性、取引の透明性、そして悪意のある攻撃に対するネットワークの堅牢性が実現されている。
ブロックチェーンは、取引記録を「ブロック」と呼ばれる単位にまとめ、それを時系列に沿って暗号技術を用いて「チェーン(鎖)」のように連結して保存する分散型台帳技術である。
一度ブロックチェーンに記録されたデータは、後から変更したり削除したりすることが極めて困難であり、この改ざん耐性がブロックチェーンの最も重要な特性の一つである 。
PoSへの移行
イーサリアムは、2022年9月に行われた大型アップデート「The Merge」によって、コンセンサスアルゴリズムを従来のProof of Work (PoW) からProof of Stake (PoS)へと移行した。
PoSシステムでは、ネットワークのセキュリティを維持し、新たなブロックを生成する役割を担うのは「バリデーター」と呼ばれる参加者である。バリデーターになるためには、一定量(イーサリアムの場合は32 ETH )のETHをネットワークにステーキング(預け入れ)する必要がある。
このPoSメカニズムは、51%攻撃への耐性が向上したとされ、高いセキュリティを提供する。PoSにおいてこのような攻撃を試みるには、市場から莫大な量のETHを買い集める必要がある。
そのため、仮に攻撃が成功しても、その行為によってETHの価格が暴落し、攻撃者自身も経済的に大きな損失を被るため、攻撃を実行するインセンティブが構造的に低い。
また、バリデーターが悪意のある行動を行った場合に、ステーキングしたETHが没収されるスラッシング(Slashing)というペナルティメカニズムも、ネットワークのセキュリティを強化している 。
イーサリアム(ETH)の歴史とこれまでの価格推移
以下はイーサリアムの価格推移のチャートだ。
1つ目のチャートが米ドルベース、2つ目のチャートが日本円ベースとなっている。


イーサリアム(ETH)の価格は、2015年の取引開始以来、技術的な進歩、エコシステム内の重要な出来事、暗号資産市場全体のトレンドなど、様々な要因に影響を受けながら大きく変動してきた。
その歴史を振り返ることは、イーサリアムの特性と市場での位置づけを理解し、今後の動向を予測する上で重要な示唆を与える。
2016年:The DAO事件とイーサリアムの分裂
2016年6月には「The DAO事件」が発生した。The DAOという分散型自律組織のスマートコントラクトの脆弱性を突かれ、巨額のETHが不正に流出するハッキング事件が起こり、価格は急落した。この事件は「イーサリアム最大の事件」とも称されている。
この事件への対応として、盗まれた資金を救済するためにブロックチェーンの記録を巻き戻す「ハードフォーク」が実施されたが、これに反対するグループが元のチェーンを維持したため、イーサリアムは現在のイーサリアム(ETH)とイーサリアムクラシック(ETC)に分裂した。
2017年〜2018年:ICOブームと「暗号資産の冬」
2017年には、大手企業が参加する「エンタープライズ・イーサリアム・アライアンス(EEA)」の発足や 、ICO(Initial Coin Offering)ブームによりETHへの需要が著しく増加し、価格は急騰。2018年初頭には一時16万円台を記録した。
しかし、その後「暗号資産の冬」と呼ばれる長期的な下落トレンドに突入し、価格は大幅に下落した。
2020年〜2022年:DeFiの成長と「The Merge」
2020年以降はDeFi(分散型金融)の成長が価格を押し上げ 、2022年9月にはコンセンサスアルゴリズムをPoSへ移行する大型アップデート「The Merge」が実施された。
実施前には期待感から価格が上昇したが、実施後は「事実売り」で一時的に下落する傾向が見られた。
2023年:上海アップデート
2023年4月には、ステーキングされたETHの引き出しを可能にする「上海アップデート」が実施され、市場の懸念が払拭されたことで価格は上昇した。
2024年:現物ETFの承認
そして2024年5月、米国証券取引委員会(SEC)がイーサリアムの現物価格に連動するETF(上場投資信託)の主要な申請書類を承認したことで、機関投資家からの大規模な資金流入期待が高まり、ETH価格は一時60万円台まで急騰した。
最新のイーサリアム(ETH)ニュースと価格への影響
イーサリアム(ETH)の価格と将来性は、絶えず変化する市場環境と技術開発の最前線に位置しており、直近のニュース動向によって大きく左右される。
特に、次期大型アップグレード「Pectra(ペクトラ)」の実装計画、米国におけるイーサリアム現物ETFの取引開始に向けた進捗、そして暗号資産市場全体のセンチメントを牽引するビットコイン(BTC)価格の動向は、現在のイーサリアムを取り巻く三大注目点と言える。
Pectraの実装に関するニュース
イーサリアムの次期大型アップグレードとして計画されている「Pectra(ペクトラ)」は、ネットワークのパフォーマンス、スケーラビリティ、セキュリティ、そして特にユーザーエクスペリエンス(UX)を大幅に向上させることを目的としており、市場から大きな期待を集めている。
Pectraは、2025年5月7日にメインネットで実装された。
Pectraに含まれる主要な改善提案(EIP)の中でも、特に注目されるのがEIP-7702である。これは「アカウント抽象化」を進化させるもので、通常のウォレットが一時的にスマートコントラクトのように振る舞うことを可能にする。
これにより、ガス代(取引手数料)の肩代わりや、複数の操作を一つのトランザクションにまとめるバッチ処理などが可能となり、新規ユーザーの参入障壁を大幅に下げることが期待される。
また、EIP-7251は、バリデーターあたりの最大有効ステーク量を現行の32 ETHから2,048 ETHへと引き上げる提案である。
これにより、大規模なETH保有者や機関投資家は、より効率的にステーキング運用を行えるようになり、ネットワークの効率性とセキュリティ強化に貢献する可能性がある。
現物取引開始に対するニュース
米国証券取引委員会(SEC)によるイーサリアム現物ETF(上場投資信託)の承認、およびその後の取引開始に向けた動きは、市場への大規模な資金流入期待を著しく高めている。
2024年5月24日、SECはブラックロック社など主要な資産運用会社8社が申請していたイーサリアム現物ETFに関する19b-4フォーム(取引所規則変更申請書)を一括で承認した 。
この承認は第一段階であり、実際に取引が開始されるには、各発行体が提出しているS-1登録届出書がSECによって有効と宣言される必要がある。専門家は、このプロセスには数週間から数ヶ月を要する可能性があると見ているが、SECと発行体との間で協議が進展している良好な兆候が見られると報じられている。
イーサリアム現物ETFの登場は、個人投資家や機関投資家が、暗号資産取引所の口座開設や秘密鍵の管理といった手間なく、既存の証券口座を通じて手軽にイーサリアムに投資できるようになることを意味する。
ブルームバーグのETFアナリストは、イーサリアム現物ETFがビットコイン現物ETFが獲得した総資産の10%から15%程度、金額にして50億ドルから80億ドル規模の資金を集める可能性があると試算している 。
ビットコイン(BTC)価格の急騰
ビットコイン(BTC)の価格動向は、暗号資産市場全体のセンチメントを左右する最も重要な指標の一つであり、その価格が急騰する際には、イーサリアム(ETH)を含む他の多くのアルトコイン市場にも強い影響を与える傾向が見られる 。
歴史的に、ビットコイン価格の上昇局面では、投資家のリスク許容度が高まり、市場全体に楽観的なムードが広がる。
その結果、ビットコインで得られた利益の一部や、新たに市場に流入した資金が、イーサリアムをはじめとする主要なアルトコインへと向かう傾向が観察されることが多い。
ビットコイン・ドミナンスへの着目
この市場全体の資金フローを理解する上で重要な指標の一つが、ビットコイン・ドミナンスである。
これは、暗号資産市場全体の時価総額に占めるビットコインの時価総額の割合を示す指標であり 、その変動は市場の関心がビットコインに集中しているか、それともアルトコインに分散しているかを示唆する。
ビットコイン・ドミナンスが低下し、かつビットコイン価格が上昇または安定している局面は、しばしば「アルトシーズン」と呼ばれ、イーサリアムのような主要アルトコインが大きく上昇しやすい環境とされる。
イーサリアム(ETH)の将来性と今後の課題
将来性:国際送金インフラとしての可能性
イーサリアムは、その基盤技術であるブロックチェーンとスマートコントラクト機能により、従来の国際送金システムが抱える手数料の高さ、送金処理時間の長さといった課題を解決し得る、新たな国際送金インフラとしての可能性を秘めている。
従来の国際送金は、多くがSWIFTネットワークを通じて行われ、複数のコルレス銀行(中継銀行)が介在するため、手数料が高額になり、着金までに数営業日を要することが一般的であった。
ブロックチェーンを利用すれば、銀行などの仲関を介さずにP2Pで直接価値を移転できるため、手数料を削減し、迅速な決済を実現できる可能性がある 。
しかし、イーサリアムが本格的な国際送金インフラとして広く利用されるには、いくつかの重要な課題を克服する必要がある。
今後の課題点とその対策
第一に、ネットワークの混雑によるガス代(手数料)の高騰というスケーラビリティ問題である。この対策として、ガス代を大幅に削減するレイヤー2スケーリングソリューションの開発が進められている。
第二に、ETH自体の価格変動リスクであり、これは米ドルなどに価値が連動するステーブルコインを利用することで軽減できる 。
第三に、規制の不確実性である。各国で暗号資産やステーブルコインに関する法規制は発展途上にある。
日本では2023年6月に施行された改正資金決済法により、ステーブルコインは「電子決済手段」と定義され、海外発行のステーブルコインの国内での取り扱いには1回あたり100万円相当額以下の送金上限が設けられるなどの規制が課されている。
EUでは包括的な暗号資産市場規制法である「MiCA」が導入され、ステーブルコイン発行者に厳格な準備金維持などを義務付けている。米国でも包括的な規制枠組みの確立に向けた法案の審議が進められている。これらの規制動向が、今後の普及の鍵を握っている。
イーサリアム(ETH)の今後の価格予想(短期・長期・AI予測)
イーサリアム(ETH)の将来の価格については、市場アナリスト、金融機関、AIベースの予測モデルなど、様々な情報源から多数の予測が提示されているが、その見通しは予測期間や分析手法によって大きく異なる。これは暗号資産市場に固有の高い不確実性とボラティリティを反映している。
短期的な価格予想(今後1〜2年)
短期的(2025年~2026年)な価格動向については、多くの専門家が強気な見方を示している。その主な要因は、米国での現物ETFの取引開始に伴う機関投資家の資金流入、次期大型アップグレード「Pectra」への期待、そして暗号資産市場全体のサイクル的な上昇トレンドである。
- インドの暗号資産取引所GiottusのCEO、Vikram Subburaj氏は、2025年中頃までに10,000ドルを超え、年末までには15,000ドルに達する可能性があるとの見解を示している 。
- Changellyは、2025年の最高予測値を7,194.28ドル、2026年の最高価格を6,275ドルと予想している 。
- スタンダードチャータード銀行や資産運用会社VanEckは、より慎重な見方を示し、2025年にそれぞれ4,000ドル、6,000ドルに達すると予測している 。
中長期的な価格予想(5年〜10年先)
中長期的(2030年頃)な見通しについては、予測の幅がさらに広がるものの、イーサリアムがWeb3経済の基盤インフラとして広く普及するという非常に強気なシナリオを描く専門家や機関が存在する。
- 資産運用会社VanEckは、基本シナリオで2030年までにETH価格が22,000ドルに達すると予測。さらに強気なシナリオでは154,000ドル、弱気シナリオでは360ドルという極めて広いレンジを示している 。
- キャシー・ウッド氏率いる投資運用会社ARK Investは、イーサリアムの価格が2032年までに166,000ドルに達する可能性があると予測している 。
- Forbesがまとめた専門家の意見では、2030年までに40,000ドルの評価に達する可能性があるとされている。
- Finder.comの専門家パネルは、2030年のETH価格を14,411ドルと予測している。
これらの長期的な成長は、イーサリアムがDeFiやNFTの基盤としての地位を固め、実世界資産のトークン化(RWA)が進展することなどを前提としている。
AIによる価格予測シミュレーション
近年、人工知能(AI)を活用した価格予測モデルも登場している。これらのモデルは、過去の価格データや市場センチメントなど膨大な情報を分析し、将来の価格動向をシミュレーションする。
2025年6月27日時点での、AI予測によるETH価格は以下の通りである。
- PricePredictionのAI予測では、2025年のETH価格は最高5,445ドル、2026年には最高8,356ドルと、段階的な上昇を見込んでいる。
- DigitalCoinPriceは、2030年のETH価格を、平均値13,117ドルと予測している。
- CoinPriceForecstは、2026年のETH価格を最低3,412ドルと、比較的弱気に予想している。
AIによる予測は客観的なデータに基づく一方、過去に前例のない突発的な出来事(ブラック・スワン・イベント)には対応しにくいという限界もある。そのため、AI予測はあくまで参考情報の一つとして捉え、他の分析手法と組み合わせて総合的に判断することが重要である。
価格予想の総括
イーサリアムの将来価格に関する様々な予測を概観すると、その見通しは極めて多様であり、共通しているのは市場の大きな不確実性と高いボラティリティである。短期的には数千ドルから1万ドル超、中長期的には数万ドルから10万ドルを超える水準まで、予測には大きな幅がある。
これらの予測の背景には、ネットワークの技術的アップグレード、エコシステムの成長、機関投資家の参入といったポジティブな要因と、マクロ経済の変動、規制の不確実性、競合との競争激化といったリスク要因が混在している。
「イーサリアムはやばい」といった言説については、具体的な根拠に欠けるものが多い。
イーサリアムには多くのポジティブな側面が存在する一方で、価格変動やセキュリティ、規制といった現実的なリスクも確かに存在する。
投資家は、扇情的な情報に流されることなく、入手可能な事実とデータに基づき、潜在的なリターンとリスクを客観的に評価することが求められる。
イーサリアム(ETH)の買い方:国内外の取引所はどう選ぶ?
イーサリアム(ETH)を購入するには、まず暗号資産交換業者(取引所)に口座を開設する必要がある。日本国内で活動する交換業者は金融庁への登録が義務付けられており、これらの登録業者を利用することが、セキュリティや法令遵守の観点から推奨される 。
日本国内においては、Coincheck(コインチェック)、bitFlyer(ビットフライヤー)、GMOコインなどが主要な暗号資産交換業者として広く認知されている。
Coincheck(コインチェック)


2012年に設立したコインチェック株式会社が運営する。2018年に大規模なハッキング事件が起きたが、その後、東証プライム市場上場企業であるマネックスグループの傘下で経営再建を図った。
使いやすいアプリとリーズナブルな手数料が特徴。
項目 | 概要 |
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取扱仮想通貨 | 35種類 |
手数料 | 無料 |
最低取引数量 | 円建てで500円相当額 |
スマホ対応 | アプリ「Coincheck」 |
セキュリティ | マルチシグ、コールドウォレットなど |
-
アプリは使いやすく、注文方法も簡単。手数料もリーズナブルで使いやすく、欠点を探すのが難しいくらいの取引所だと思います。
★★★★★5点(50代・女性) -
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★★★★★5点(20代・女性) -
良いところは初心者でもまごつかないアプリが用意されていること。仮想通貨初心者ですが、使い方をマスターできることが嬉しい。
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bitFlyer(ビットフライヤー)


株式会社bitFlyerが運営し、国内最大級の取引量を誇る。FX取引(bitFlyer Lightning)が盛んなことが特徴的だ。
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項目 | 概要 |
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取扱仮想通貨 | 38種類 |
手数料 | 販売所:無料、取引所0.01〜0.15% |
最低取引数量 | 販売所:0.00000001BTC、取引所:0.001BTC |
スマホ対応 | アプリ「bitFlyerウォレット」 |
セキュリティ | マルチシグ、コールドウォレットなど |
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bitFlyer(ビットフライヤー)の評判・口コミ
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一般的な購入手順(Coincheckを例に) :
- 口座開設:メールアドレスを登録し、SMS認証、本人確認書類の提出を行う。
- 日本円の入金: 銀行振込、コンビニ入金、クイック入金などの方法で、開設した口座に日本円を入金する。
- イーサリアムの購入: アプリやウェブサイトの取引画面から、購入したい数量または金額を指定してETHを購入する。
イーサリアム購入時の注意点とリスク
イーサリアムを含む暗号資産への投資には、高いリターンが期待できる一方で、様々なリスクが伴うことを十分に理解する必要がある。
- 価格変動リスク: 暗号資産は価格変動が非常に大きく、短期間で価値が大幅に下落する可能性がある 。投資は、失っても生活に支障のない余剰資金の範囲で行うべきである。
- ハッキング・詐欺のリスク: 取引所へのサイバー攻撃や、フィッシング詐欺、SNSを通じた投資詐欺などにより、資産を失うリスクがある。
金融庁や警察庁も、SNS等で面識のない人物から暗号資産を求められた場合は詐欺を疑うよう注意喚起している。二段階認証の設定や、パスワードの厳重な管理、不審なメールや勧誘に応じないといった基本的なセキュリティ対策が不可欠である。 - 税金: 仮想通貨の取引で得た利益は、原則として「雑所得」に分類され、確定申告が必要となる場合がある。給与所得など他の所得と合算して税額を計算する「総合課税」の対象となり、所得が多いほど税率が高くなる「累進課税」が適用される。
税率は住民税と合わせて最大で約55%に達する可能性があり、株式投資やFXの利益(申告分離課税、税率約20%)とは扱いが異なる点に注意が必要だ。年間の利益が20万円を超える給与所得者などは、原則として確定申告が必要となる 。
イーサリアム(ETH)の今後や価格予想・見通しのまとめ
本稿では、イーサリアム(ETH)の基本情報から最新の動向、将来性、価格予想、そして投資における注意点までを網羅的に解説した。
イーサリアムは、単なる暗号資産ではなく、スマートコントラクトを核とした分散型アプリケーション(DApps)のプラットフォームであり、DeFiやNFTといったWeb3時代のイノベーションを牽引する存在である。発行上限がない一方で、手数料のバーン(焼却)メカニズムにより供給量が調整されるというユニークな経済モデルを持つ。
その将来性は、Pectraのような大型アップグレードによる技術的進化、米国での現物ETF承認を契機とした機関投資家の資金流入、そしてビットコインを筆頭とする暗号資産市場全体の動向に大きく左右される。国際送金インフラとしての可能性も秘めているが、スケーラビリティや規制といった課題も残る。
価格予想については、専門家やAIによって短期・長期ともに非常に幅広い見方が示されており、高いリターンの可能性と同時に大きなリスクを内包していることがわかる。これは、イーサリアムが依然として発展途上の技術であり、その将来が多くの不確実な要因に依存していることを示している。
したがって、イーサリアムへの投資を検討する際には、「必ず儲かる」といった甘い言葉を鵜呑みにせず、本稿で述べたような技術的な背景、市場動向、そして価格変動、ハッキング、税金といった具体的なリスクを十分に理解した上で、自己責任に基づき慎重な判断を下すことが極めて重要である。