- CCDataによると、ステーブルコインの時価総額は11月に1900億ドルまで増加し、2022年4月の「暗号資産の冬」前のピークを超えたと報告されています。
- 「今年は、米国大統領選挙後の暗号資産市場の拡大により、ステーブルコインが広く取引に利用されるニーズが高まりました。」
- ブラックロックのトークン化マネーマーケットファンド(MMF)である「BUIDL」と、エセナの利回り付きステーブルコイン「USDe」など、新たなトークン化投資商品の登場も、ステーブルコイン市場の拡大を促進した。
- 「最近のレポートによると、テザー社のUSDTの時価総額は1カ月で10%増加し、1320億ドルを超える歴史的な高値を達成しました。一方、サークル社のUSDCは12%増加し、約390億ドルに達したとのことです。」
「11月の初めに、ビットコイン(BTC)とソラナ(SOL)が過去最高値を更新した後、ステーブルコインも記録更新に加わりました。」
11月27日に発表されたCCDataのレポートによると、2024年11月にはステーブルコインの時価総額が史上初めて1900億ドル(約28兆5000億円、1ドル150円換算)に到達したことが明らかになった(CCDataは、米CoinDeskの親会社Bullishが所有している)。これまでの記録である1880億ドルは、2022年4月に達成されたものであり、テラ/ルナおよびステーブルコイン「UST」の崩壊直前の数字だった。この崩壊は、”クリプト・ウィンター(暗号資産の冬)”と呼ばれる弱気市場に追い打ちをかけた。
「11月、仮想通貨市場が急騰した影響で、ステーブルコインへの需要が急増しました。トランプ氏の再選を受けて米政府が仮想通貨業界に対して寛容な姿勢を示す可能性を期待した投資家たちは、大量の資金を仮想通貨へと流入させました。ステーブルコインは仮想通貨エコシステムにおける重要な役割を果たしており、その価格は主に米ドルなどの外部資産と連動しています。そのため、多くの投資家から取引所での取引や手元資金として重宝されています。」
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「今年に入ってから、価格が1ドルで固定された新しいトークン化商品が急速に増加しています。たとえば、米国の資産運用大手ブラックロック(BlackRock)が提供する「BUIDL」といったトークン化マネーマーケットファンド(MMF)、または暗号資産のキャリートレードで利回りを提供するエセナ(Ethena)のUSDeなどが挙げられます。これらの商品も、CCDataのレポートに含まれています。」
「USDTとして知られるテザー社のステーブルコインは、未だに最高のポジションをキープしている。この1カ月でUSDTの時価総額は10%上昇し、過去最高の1320億ドルを達成した。他方、サークル社のUSDCも時価総額が12%増加し、2023年3月の米国地域銀行危機以来の最高額である約390億ドルに到達した。現在、マーケットシェアを見ると、USDTが69.9%でトップを維持し、USDCは20.5%で2位に位置している。」
上昇が著しかったのは上位2つのトークンだけではありません。CCDataによると、追跡対象となっている約200のトークンのうち、38銘柄がこの1カ月で過去最高の時価総額を達成したと報告されています。

たとえば、エセナの暗号通貨USDeの時価総額は11月に42%増加し、過去最高の38億ドルを記録しました。USDeはビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)を保有しており、同額の無期限先物契約をショート(売却)することで収益を得ています。暗号資産市場のバブルの影響により、USDeは利益を上げており、現時点で保有者には年率換算25%の利益を提供しています。
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「中央集権型取引所(CEX)におけるステーブルコイン取引高が前月比77%増の1兆8000億ドルに達し、広範な暗号資産市場の上昇による影響もあるとされる。取引高の83%はUSDTが占め、9%が香港のFirst Digitalが発行するFDUSD、8%がUSDCであった。」
「CoinDesk JAPAN編集部による翻訳・編集|画像提供:ステーブルコインの時価総額(CCData)|元記事:ステーブルコインの時価総額が史上最高の1900億ドルに達し、プリ・テラ・クラッシュピークを超える:CCData」