Datachain(データチェーン)の親会社であるSpeee(スピー)は1月10日、電子決済手段(ステーブルコイン)関連事業についての適時開示「電子決済手段(ステーブルコイン)関連事業の準備状況について」を行いました。これにより、「昨年に発生した他社の暗号資産不正流出に関する報道を受け、当局との行政手続き、セキュリティ面の確認、および関係者間での合意形成が十分に必要とされています」と述べられています。
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Datachainの事業企画を担当する吉田基紀氏は、CoinDesk JAPANの取材に対し、次のように説明しました。「今回の開示は当社の事業に関するものであり、他社の名前を出すことは避けますが、ステーブルコイン関連事業に関しては、一時停止ではなく、システムへの悪影響が確認されない限り、速やかに発行を目指します」と述べました。
システム開発に関わるDatachainが手掛けるStablecoin発行基盤「Progmat Coin」において、齊藤達哉氏は1月2日に公開したnoteで、国内でのStablecoin(SC)の発行時期について言及しました。「Progmat Coin」のシステムは既に完成しており、年明けに発行を目指していると述べています。さらに、制御できない2つの前提条件とリスクについて詳細に説明しています。
「noteには、Progmat協業プロジェクトの中で2つのプロジェクトの発行企画者は前回の不正流出事故の関係者であること、Progmat Coinの共同開発パートナーの1社が前述のソフトウェア会社として公表されていることを率直に記述しました。自社では時期を完全にコントロールすることができない部分も含まれ、これが悩みの種ではありますが、最善を尽くして対処しています。いずれにせよ、時間の経過で解決する問題だと述べています。」
国内におけるステーブルコインは、SBIが米国のサークルによって発行される米ドルに連動したステーブルコインUSDCの取り扱いを、1月から3月にかけて開始する予定です。
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Progmat Coinのテクノロジーを活用した国内製のステーブルコインが近い将来に登場する見通しです。
文章:増田隆幸氏による作成/画像提供:シャッターストック